4/2よりついにイスラム教のラマダン期間(断食月)が始まった。
日本人駐在員にとっては色々と頭の痛い1ヶ月だ。
ラマダンとは
ラマダンとはイスラム教における第9の月、聖なる月を表す月であり、おめでたい期間である。
その祝うべき月に身を清め信仰心を高める為に日が昇っている間は禁欲に努める、すなわち断食を行うのである。
イスラム歴は一般に使われているグレゴリオ暦と違い1年が354日と11日の差がある為に毎年期間が変わっていく。
インドネシアの国民の約90%はムスリム、それゆえ国をあげてラマダンに取り組む為にこの期間は様々な制限が発生する。
大多数の人は朝の3:00頃に起きて4:30までに飲食をし、日が昇っている間である夕方の17:30頃までは一切の飲食を断つのである。
多くの飲食店は午前中はクローズしており、夕方から店を開く。日中に開いている店は窓に暗幕が貼られ、外から見えなくなっている。
一方で夕方からは食糧を買い求める人々や出店が一斉に動き始めるので各地は大混雑になってお祭り騒ぎだ。
業務中の人々の活性はダダ下がりであり、業務効率は最悪になる。しかも断食明けまで水も飲まない為に残業がしづらい。
私のような断食しないマンはマイノリティであり、コソコソと机の下で水を飲んだり外に出て物陰で見られないようにパンを食うなど、便所飯をしているような虚しい気分が味わえる。
とはいえ仏教徒やクリスチャンも一定数存在しておりモールやチェーン店、コンビニなど普通に営業している店も存在しているので、そういった店を利用していれば問題は無い。
ジャカルタなどの都市は日中の食べる場所に困らないだろうが田舎は中々難儀である。
日中は断食中なので休日も道が空いているという訳ではなく、新しい衣服を身に纏ってレバランを迎えるという考えの下にどこの服屋もセールをしているので逆に混雑している。
正直この期間は私達駐在員の国際的な経済活動にとってマイナスにしかならず、最大限の配慮はするが理解は出来ないというのが私の考えだ。
現地スタッフのフォローが大変なのである…
レバランとは
1ヶ月のラマダンの後に断食明けを祝うレバラン大祭という祝日が存在する。
いわばインドネシアにおける正月と盆を合わせたような期間であり、2日間の祝日の前後に政府より有給取得奨励日が設けられ約1週間のインドネシア最大の長期休暇となる。
インドネシアではこの期間に地元への帰省が一斉に行われ、各地は大混雑、飛行機や電車のチケット代、ホテル代も高騰する。
レバランの2週間前にはTHRという賞与の支払いが義務付けられおり、皆そのボーナスを握りしめて実家に帰省するのである。
2020、2021はコロナ感染の拡大を防ぐ為に地元への帰省の自粛呼びかけと休暇期間の短縮がなされていたが2022年は久しぶりに1週間の休暇が定められた。
ラマダン期間の釣りについて
ラマダン期間は殺生も忌諱される為に現地の人々は生活の為以外は釣りをする人も減る。というより特にその辺を気にしている人はあまりいないが日中のクソ暑い中で飲まず食わずがキツいに違いない。
釣り堀も開店はしているが時短営業や開店時間が遅くなっている可能性があるのでSNSや電話で問い合わせた方が良いだろう。
Big Fish Strike H2MやOmah kolam Jogjaは昼過ぎからの営業になっていたがRCGやMonsteroなどは営業時間に変化は無いようだ。
現地の人は日中死んだように床で横になり、夕方から元気になって朝まで釣りをするというケースが多いので日中の釣り堀は逆に人が少なく狙い目かもしれない。
ただ夕方の断食明けの時間付近は店員さんが消えたり、レジの下や裏で思い切り飯を食っていたりするのでそこは配慮する必要がある。
自然のフィールドに行く場合は船頭さんやガイドが敬虔なムスリムの場合、脱水症状の危険がある為にあまり無理はさせられないだろう。
とはいえ月経中の女性や体調不良を理由に断食は避けられ、気分で今日はしないという人もいたり、そもそも断食をしていない人もいるのでその人次第ということだ。
レバラン期間の釣りについて
レバラン期間については祝日にあたる2日間は皆でお祈りをした後にそれぞれが身内でお祝いをする。
レバラン大祭の祝日2日間は開いている店がほとんど無いので釣り堀も同様にまず開いていないしどこかへ行こうにも運転手が見つけづらい。
2022は5/2、5/3がその祝日にあたり、4/30〜5/8が政府の定めた祝日期間となっている。
交通機関も場所によってはマヒしているし、釣りをするなら2日間の祝日は避け、前後の有休所得奨励日に決行するべきだろう。
多くの日本人駐在者はこの期間に日本に帰るかバリやロンボクなどのムスリムが少ない地域でバカンスを楽しんでいる。
しかしながら交通機関の費用やホテル代は一年で最も高くなっている時期で満席もあり得るので早めの予約をしよう。
今年の4月から外国人観光客の受け入れが再会され、レバランの休暇期間短縮も無くなったことから近年にない賑わいが予想される。
私はカレンダー通りに休みが取れそうに無く、残念ながら日本への帰国申請も通らなかった。
どこかのんびり出来るとこにでも行きたいが飛行機のチケット代とホテル代の高さに二の足を踏んでいるところだ。
もう3年程日本に帰れていないのでいい加減日本に帰って家族の顔が見たい。
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