駐在員の悩み、それはどうやって遠くに釣りに行く時間を捻出するかである。
日本の友人はインドネシアに住んでるなら色んな魚を釣りに行けていいなと言う、しかしふと思う
日本にいる人のが色々なとこ釣りに行ってね?

そもそもインドネシアは日本より休みが少なく大型連休と言えるものがレバランくらいしかない、しかも祝日が土日に被っても振替休日がない。
そして肝心のレバランはガイドさんや船頭さんも休むので基本的に遠征釣行は難しく、レバラン以外で休みを作らなければならない。

インドネシアの有名で魅力的なターゲットを釣りたいとなると移動だけで2-3日掛かるのは普通だ。
そうなると前後の移動で最低4日、釣りをするのに3-4日と考えると少なくとも1週間は休みが欲しい。

中小企業に勤める私は同僚などおらず1人ぼっち、長期間職場を空ける訳にも行かないので有給を取って遠征に行けるのは日本のお盆に合わせる時くらいである。
土日があれば釣り堀やダム湖なんかには行けるがインドネシアに住んでいるというアドバンテージを最大限に活かすにはたまにある土日に祝日がくっついた3連休をフル活用するしかない。

今回のターゲットはパプアンバス、去年ガイドさんから大掛かりな移動をしなくてもいい所にもいることはいるよ、という話を聞いていたので行き帰りに2日、釣行1日という行く前から割と厳しそうなプランを計画していた。
バンドンからの出発を考えると移動だけでも5万近くかかるので釣行一日はかなりもったいない、しかしこうでもしないと遠くに釣りに行けないのだ。

そして月日は流れ、やっと三連休に都合がつくもガイドさんからは8月にちゃんと釣れるとこ行くんだから今回はオススメのマングローブスポットでMJとかミニGT釣って遊ぼうぜ、ライトタックルで来いと言われてしまう。

正直そっちはそっちでめちゃくちゃ楽しそうなのだがパプアンバスと天秤に掛けるとダメ元でもいいからロマンに挑戦してみたい。
だが前提として雨が降って川の状況が悪いと釣れないからその時はライトゲームしようという話になった。


初日はガイドさんも別の客のアテンドがあるし移動のみ、ホテルのチェックイン時間に合わせてゆったりと目的地に向かう。
LIONだしどうせ遅延すると踏んでいた飛行機が定刻に出た、珍しい、この後大雨が降るんじゃないだろうか。

現地の天候は快晴、ここ3日程雨が降っていないらしくそこそこ期待出来るとのこと。

今回滞在したのはどこにでもある外資系のミドルクラスホテル、一泊5千円ちょいである。
切り詰めれば一泊¥1,000くらいのとこもあるが休みくらいは寝る時に快適に過ごしたい、普段仕事の出張は節約して安いホテルで済ませているので気分はバカンスだ。

海沿いのホテルを選択していたので前哨戦にいざ出陣、外はヤバいくらい暑そうだったので少し仕事をして夕方になってから外に出る。




思ってたより普通にビーチリゾートだ、インド洋に面しているので波は高いが地元の人たちが泳いだりサーフィンしたりして休暇を過ごしている。
ここじゃ釣りは出来ないので予め目星を付けていた河口を目指して歩いていく。







思ってたより釣り人が多い、みんな胴付き仕掛けにエビの切り身を付けてちっちゃい魚を釣っている。
近くに釣具屋があってルアーも売っていたのでここで何が釣れるか聞いてみるとGT、MJ、ブラックバスという。

パプアンバスって秘境のジャングルに潜むヤバい魚というイメージしかなかったがこんな市街地の普通の河口にもいるとは驚きだ。
にわかには信じられず釣り人と会話する度にここってブラックバス(パプアン)いるの?と聞いてみるが皆一様にサイズは小さいけど夜に海老で釣れるよと言う。



マイクロジグやポッパーをひたすら投げるがアタリすら無し、橋の上から子供達がダイブしまくっているし、日中は厳しそうだ。
後でガイドさんに聞いてみるとルアーでも明け方の人のいない時間限定ならワンチャンあるとのことだ。
しかしホテルから歩いて10分くらいのとこにパプアンバスがいるというのは夢がある。


という訳で前哨戦は敗北、メッキかダツくらいは釣れないかなと期待したが甘かった、釣り人多すぎる。
そしてみんなヒマなのかめちゃくちゃフレンドリーに話しかけてくるので半分くらいは雑談していた。



客を空港に送り終えたガイドさんが来てくれたので飯を食いながら作戦会議、とりあえずここ数日は雨が降っていないのでパプアンが狙える川に行こうとなった。
ここから近くの川でスポットテール、ブラック、バラにマシールにトーマンまでいるというアメイジングな川があるらしい。

街中の川でインドネシアオールスターみたいな魚が釣れるなんて出来すぎだろうと思ってしまうがあくまでいるというだけで釣れるかどうかとは別問題である。
ただガイドさん的にも水質が良ければスポットテール1匹くらいは釣れるんじゃないかという算段はあるらしく、俄然楽しみになってきた。

昨夜は楽しみ過ぎて中々寝付けずに少々寝不足だが天気は快晴、ホテルまで迎えに来てもらい釣り場に出発。
遠征に行くと必ずと言っていい程雨に遭ってきたが、こんなに天気がいいのは初めてかもしれない。

川にはあっという間に着いた、本当に都市部の栄えているとこから10kmも離れていない。
河口部から上流を目指して狙うはスポットテール!


かなり広い川だ、昨日の川程密集はしていないが釣り人も相当いる。
みんな生き餌でバラやパプアン、上流では豆とか鶏の腸でマシールを狙っているらしくそこら中で釣り糸が入っている、これは中々にプレッシャー高そうだ、釣れたら当然リリースなんてせずに持って帰られるだろうし。
ルアーはメジャーではないらしいがやはり生き餌には勝てないようで人があまり入れない場所を求めて出来るだけ上流に行って釣り下る流れだ。

川幅はかなり広い、普段パプアン狙ってる川は道路の1車線分くらいしかないので20倍くらいありそう、こうなると魚も散っているだろうしストラクチャーを入念に探る必要がある。
普通に街中なのでスマホの電波もアンテナバリ勃ちで違和感が凄い。



道中目にする生き物に目を奪われる、ポイントまでの移動は気持ちが逸るが色々な生き物を見れるのが嬉しい。
ワニもいっぱいいるとのことだったがこの日見ることは無かった。



上流に行くにつれガイドさんの表情が険しくなる、雨が降っていないのに水が濁って流れが早いらしい。
普段の川の水は澄んだ緑色で流れも穏やかとのことだが、かなり様子が違うとのことだ。

考えられるのは山の上の方で大雨が降ったか、上流に貯水池があるらしくそこの水が放水されたか、とにかく状況は最悪とのことだ。
僅かな可能性に賭けてガイドさんと2人でキャストを繰り返すがアタリすらなく最初の河口に戻ってきた。

パプアンバス、特にスポットテールを釣る為の最大の障害は水の濁りだ、水質がマシな河口を選べるブラックと比べてスポットテールは純淡水なので影響をモロに受けてしまう。
近年有名な釣り場でも釣果が落ちているらしく、その原因として天候が安定せずに雨が1年中降ること、伐採や養殖池の建設などで地質が変わり、濁った水質が回復するのに雨が降ってから2-3日掛かってしまう状況になっているからとのことだ。

本流は厳しそう、昼からは支流に入って別の魚を狙いに行くことになったのでご飯を買って再び出発。

河口すぐ近くから支流に入るとかなりパプアンバスのポイントぽい雰囲気になってきた。
この日は大潮でこれから上げのタイミングになってくるが影響はあるだろうか?


支流は見るからにパプアンバスいますよ、という雰囲気だがここでのターゲットはトーマンらしい。
ものごっつ汽水だと思うけどトーマンいるの?と聞くと本来トーマンはこの川にいなかったが釣り人が放流したものがこの支流だけに定着しているとのことで餌釣りなら11kgの実績があるそうだ。

一応パプアンバスもいるよとのことだったので私は引き続きパプアン狙いでミノーを投げる、ガイドさんはトーマン狙いで表層をひたすら攻めている。
キャストを繰り返すが天気は依然崩れる様子はなく暑さで参りそうだ。

不意にガイドさんの投げるワームの表層引きに何かが物凄い音を立てて食いついた。
しかし竿をぶち曲げて船の下に潜った後に針が外れてしまう。
非常に残念だ、何が食ったのかも分からないが初めての魚からのコンタクトに私のやる気も膨れ上がる。

奮起も虚しく最後までノーバイト、夕方になるにつれてキャスト疲れで休む時間の方が多くなり、それでも気合いを入れて一投でも多く投げようと頑張ったがダメだった。
もう一度ガイドさんのワームにホテイアオイの際でトーマンだなってアタックがあるも針掛かりせず、結局2人共ボウズという結果になった。

やはり厳しい、ガイドさんはそれでも2回バイトに漕ぎつけたのは流石である。
水質と潮と時合が上手く重なれば釣れるとは言うが、ここまで市街地の中で常にプレッシャーがかかる環境で釣るのは1日では難しそうだ。

今日釣れなかったらホテル横の川で明け方にラストチャンスしようと思っていたが釣りをしている最中に飛行機がリスケになり早朝の始発便になったというメールが突然入った。
やはりLION、油断出来ぬ…前日の昼に当たり前のようにリスケしてくるが見逃したり到着が無理な状況ならどうするんだ。



飛行機がリスケになったことで最終日は朝の4時前に空港に向かわなければいけない。
みんなで晩御飯を食べた後ホテルまで送ってもらってガイドさんにお礼を言って別れる。
部屋に戻ったら極限の疲れでタックルとルアーと一緒にシャワーを浴びて速攻で眠りにつく。


という訳で三連休を利用した遠征は終了、非常にタイトな行程だったし残念ながら魚に触れることすら無く終わったが面白かった。
市街地の川でハイプレッシャーということに加えて水質にも恵まれなかったがワクワク感はかなりあったのと風景にかなり癒された。
8月に本格的にパプアンバスを狙いに行くが本番を前に色々と試行錯誤が出来たのでこれを活かしたい、なんならまた同じ川にリベンジしたい。


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