ビザの取得は面倒だ、前回一度インドネシアを出たにも関わらず未だビザが発行されていない。
再度インドネシアを出国しなければならないが、ビザの為なら仕方ないなー、仕方ないから釣りしよー。
一通りクアラルンプール近郊の釣り堀をチェックしたが、前回訪れたNatural Exotic Fish Fishing Pondを超える豊富な魚種が入っている場所は無いだろう。
レッドテールの猛攻に会い数は沢山釣れたものの他魚種が釣れなかった反省を活かし、今回は色々な魚種を狙ってみたい。
というわけでやって来た自身でも2度目となるマレーシア、相変わらず蒸し蒸ししている。インドネシアより幾分暑く感じる。
金曜日の深夜に到着して明日からは釣り三昧と行きたいが今回は状況が違う。
仕事でトラブルがあり対応に追われたことで他の仕事も溜まりまくっている。
お客様とのバトルフェイズを継続したまま週末に突入するという失態をこのタイミングで犯してしまったが仕方がない、土日の内の1日は仕事しつつ釣りの準備に注力しよう。
ホテルにチェックインした後徹夜で頑張ったおかげでなんとか目処が立った、揉めているお客様からの攻撃も無く土日は一時休戦を確信したので仮眠をしてから外出準備をする。へっ、とんだ甘ちゃんだぜ!
明日は是非ともグーンシュやオキシドラス、アジアンレッドテールのナマズ系にタイガーバルブのようなコイ科の魚も釣ってみたい、そうなるとやはり適切な餌は万能のミミズだろう。
マレーシアでどうやってミミズを探すか悩んでいたが文明の利器スマホをちょいちょいすればとある釣具屋に売ってるという情報はすぐ見つかった。
早速グラブタクシーで釣具屋に来た、開口一番ミミズをくれと詰め寄るもそんなもんねえよと言われてしまう。
だってネットに書いてあるもん!とゴネるがそれ公式サイトじゃなくて知らんやつの買いたサイトやん、と一蹴された。
ではミミズはどこで買えるんだと訪ねるも知らんとのことだ。
とりあえずどうしようかとマップを見ると近くに有名な観光地があったので立ち寄ってみる。
バトゥ洞窟寺院というヒンドゥー教の寺院が山間の洞穴内に建立され聖地とされているようだ。
ぶっちゃけクアラルンプール周辺の観光地は少ない、街巡りが充実しているので散策は楽しいがネットで出てくる有名観光地はここかモスクくらいである。
寄り道してしまったがミミズを買わないといけないので早々に観光地を立ち去る。
釣具屋に無いならインドネシアで考えるとあそこに行けばあるんじゃないだろうか。
次に訪れたのはアクアリウムショップや鳥などを売る店が立ち並ぶ通り。ネシアなら確実にある。
最初に訪れたアクアリウムショップではミミズは売り切れだと言われてしまった。どこか売ってるとこないかと尋ねるとこの辺の店なら売ってるだろうとのこと。
付近には熱帯魚や鳥の露店が並んでいる。一軒一軒聞き込みをしていくが売ってる魚を見るだけでも超楽しい。
そして遂にミミズを発見、何パック買うんだ?と聞かれればこの店のミミズを全部持って来いと返す。
そう、ミミズなんてどうせティラピアとかの餌取りが群がって来てすぐに無くなることが容易に想像出来る。
こんなんなんぼあっても困りませんからね、ということで大量のミミズを購入、餌取りがどれだけ群がろうと本命が掛かるまで投げる、名付けてミミズ千匹作戦である。
などと馬鹿なことを考えながら露店を巡る、餌が一種だけでは不安なのでもう一種は保険で用意したい。
ウズラの卵でもいいのだが、ここは最近ハマっているエビでもいいな。
インドネシアでも見るものや表ではまず見ないものも露店で売っていたり興味深い。
時間も昼過ぎになっているのでそろそろ食事もしたい。
以前から気になっていたインド料理も食いたいがやはり中華系のメニューに惹かれてしまう、豚は偉大だ。
興味本位でインドネシアと同じようなメニューで味が違うか試す。
普通のナシゴレンとクェティアウゴレンはインドネシアで食べる味となんら変わらなかった。まあ美味い。
釣り餌を探してセントラルマーケットにやって来た、ここもネットで観光地を調べると必ず出てくる。
入ってくる時にPasar Seni (工芸品市場)と書いていたので予感はしていたが普通の市場ではなくお土産市場だ。
思ってたのとちょっと違うがこれはこれで好物である、長時間いるとアロワナの木彫りやナチュラル雑貨など後で置き場に困る物を確実に買ってしまう。
片手にぶら下げたミミズ入りの土の塊が重い、早々にセントラルマーケットを立ち去るが来る時に面白そうな場所を見つけたのでついでに覗く。
中国風の門から連なるアーケード街があったので立ち寄ったが中はハイブランドのコピー商品が売ってるだけだったので退散。
チャイニーズな通りを想像していたが、ある意味これもチャイニーズか、学生の頃ならまだしも今は興味は唆らない。
あまりにミミズが重いので一旦ホテルに帰ってシャワーを浴びたら残った仕事を終わらせる。
19:00過ぎにもう一度餌を探しに出陣だ。
流石に魚市場は早朝だし、エビをどこで買おうと悩んでタクシーの運ちゃんに尋ねるとすぐそこで売っているという。
ホテルから歩いてすぐのミニマーケットでエビは見つかった。
早速購入しようとするが1kgで¥1,300と言われてしまう、めちゃ安いが多すぎるので半分にしてもらうがそれでも大量だ、エビチリにして食べたらどれだけ幸せだろう。
ここで問題発生、今回は節約を心がけてホテルのグレードをかなり落としていたので冷蔵庫が無い、一晩とはいえ常温放置はエラいことになりそうだ。
しかしコンビニで普通に氷が買えたので洗面所に業務用の氷を敷いてエビを冷やすことが出来た。
インドネシアでは氷が意外と売ってないので羨ましい。
老後をマレーシアで過ごす日本人が増えていると聞くが、すでに成熟した都市で治安も馬鹿をしなければ十分良いこのクアラルンプールは日本人にとっても暮らしやすいだろうと思える。
私は中部ジャワくらいの程々で落ち着いた都市が好きだがクアラルンプールは都市観光としては非常に魅力的な都市である。歩いてて楽しい。
そんなこんなで1日目は終了、体力はガッツリ削れたが釣りの準備は万端だ。
ホテルで泥のように寝て起きたら朝の4時、準備をして迎えを待つ。
今回一番懸念していたことは釣り堀の行き帰りの為の交通手段、前回はSさんが連れて行ってくれたので何も心配していなかったが今回は1人。
行きは何とかなるが帰りが捕まるか本当に分からなかった、夜には空港からインドネシアに出国する為に帰る手段がないことは危険すぎる。
そんな心配は杞憂に終わった、マレーシアに着いた時にホテルまで乗ったグラブタクシーの運ちゃんが相場より安く車を出してくれることになったのだ。
車内で爆睡していると1時間程で到着した、既に営業開始の7:00は過ぎているが門は閉まっている、どこも似たようなものだ。
大声を出しているとスタッフさんが来て開けてくれた、いよいよ釣りが出来る。
今日は昼過ぎまでとことんやりたい、タックルはワールドモンスターのHにカルコン200、PE4号に60ldリーダーを結ぶ。
中通しオモリ仕掛けに針を付けてミミズをこれでもかと房掛けにする。
投入するとすぐに魚の反応があるがどうやら餌取りの小魚のようだ。
竿先はツンツンと反応を示すが糸は引き出されない、巻き上げてみるとミミズだけ無くなっている。
これはまあ想定通りとミミズを付け直し、手を洗って仕掛けを投入を繰り返していると突然糸が勢いよく走り出した。
ドラグを締めて合わせを入れると襲い掛かる重量感、これはヤバい、今まで釣った魚の中で1番デカいかもしれない。
さっきまで小魚が突いてたのに極端すぎるだろうと引きに耐えるがリールのハンドルを一度も回すことも出来ず針が外れてしまった。一体なんだったんだ…
デカいメコンかパーカーホでも食ったのか、あの瞬間ワールドモンスターのHは頼りない棒に感じられ、その場に1人でいる孤独感と恐怖が半端無かった。
もうちょい段階を踏んで欲しいところだが魚は気まぐれ、気を取り直してミミズを投入するが再び餌取りにやられまくったのでエビに変更してみる。
エビを投入してほどなくしてアタリがあった。
初魚種のアジアンレッドテール、アクアリウム界隈ではレッドテールミストゥスとも呼ばれるギギ科の最大種である。カッコいい!
引きは走りが早めでパワフルだが南米のレッドテールやパールムと違って素直に寄って来た。
これもメーターまではいかないがかなりデカいのに、ここにいると感覚がおかしくなる。
エビは普通に釣れる。メーター超えのパールムとレッドテールが立て続けに上がってきた。
クッソ引き強いが最初にバラしたやつ程ではない、本当に何が掛かってたんだ。
ルアーの客も来たので見ていたが、8割方スレ掛かりである。バイブレーションで底を取ればそりゃそうなる。
前回よりは沢山の魚種が釣れているがやはりレッドテールとパールム以外の魚を釣るのが難しい。
今回は先っちょに陣取っていたが昼前から沢山お客さんが来てあれよあれよと言う間に場所を占領されてしまった。
というか餌付けに戻った間に釣り座を横取りしたり私の真後ろから私越しにフルキャストするのはどうなのよ。
チャイナまじチャイナと悪態は出るがまあしょうがないと侵略戦争に負けた私は場所を移す。
明らかに先っちょの釣果が良く、場所を移動してもあまり釣れなくなってしまったので針を小さくして餌取りを狙ってみる。
釣れたのはシルバーバルブ系の魚でこの釣り堀の生き餌としても売られている。餌取りはこいつだけではなさそうだがこの魚だけが釣れてきた。
怪魚釣り堀に来ていつも思うのは楽しいけど1人はちょい寂しい、1人で来てもかなり楽しいのに日本の友達とかと来れたらどれだけ楽しいのだろうと想像したことは一度では無い。
日本にもこういうとこあればいいなと思うが、冬がある日本では難しいことも事実、いつか地元の幼馴染達と怪魚釣り堀で竿を並べてまったり魚を待つ日が来ればいいなと夢見る。
ミミズとエビを気分で変えながら放り込んでいるとアジアンレッドテールがまた釣れた。
インドネシアの釣り堀では普通のバウンは入っているがバウンエコルメラーことアジアンレッドテールは多分入ってないので大歓迎だ。
何か釣れるやつ全部皮膚がボロボロだ、皮膚病に罹りやすい魚なのかもしれない。
周囲で釣れている魚を見てもレッドテールばかりで他の種類の魚は全然釣れてない、レッドテールとパールム以外の魚はやはりレアなのか。
ミミズに一度別の魚種らしき走りの魚が掛かったがまた痛恨のバラし、エビの殆どを雑談していた中国人にあげてミミズに賭ける。
結局7時間程粘って釣果はレッドテール3匹、パールム2匹、アジアンレッドテール3匹にバラシが4と前回の4時間程数は釣れなかった。
グーンシュやオキシドラス、スタージョンは姿を現さなかったが初魚種のアジアンレッドテールをキャッチ出来たのは非常に嬉しい。
マレーシアに来る機会がまたあるかは分からないが次があるなら夜釣りとかも試してみたい。
そしてやはり初めての魚種を釣る感動は堪らない、インドネシア に帰ったらまた休みを見てVillaku Kuningにでも行こう。
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