パンガシウスという魚について

パンガシウスという魚をご存じだろうか?

ピラルクなどの淡水魚の大型水槽に混じって泳いでいる変わった顔のアイツであるが実は日本に住むみなさんにとっても意外と身近な魚でもある。

水槽で泳いでいるアイツ

パンガシウスとは?

パンガシウスとはナマズ目パンガシウス科(pangasiidae)に属する魚の総称であり、パキスタン、タイ周辺国、インドネシア などアジア一帯に22種が生息している。

タイの釣り堀で釣ったメコンオオナマズ

私が初めて目にしたのはタイでタクシーの運ちゃんに適当に連れていってもらった釣り堀だが、その無感情で不気味な顔とピラルクより強烈な引きは非常に印象に残った。

釣り堀の貸し竿は海の大物用だ

一般的に想像するナマズとはかけ離れたその姿はサメに例えられ、英語ではShark Catfishと呼ばれる。

その名の通りサメのような流線形の魚体と大きな尾が凄まじい遊泳力を生み出し、竿にかかった瞬間に一気に突っ走る。

小さくても引きは抜群に強い

スタミナも無尽蔵であり、うっかりバスタックルやライトタックルで大物を掛けた日には取り込みに想像を絶する時間を要するだろう。

水底よりも中層から表層を泳いでいることが多く、釣り堀では水面に浮かんでコイのように口を出してパクパクしていたり、不意にイルカのような超大物が水面に飛び出して驚かせてくれる。

こんな餌でも釣れる

食性は基本的には草食性であるが、練り餌や揚げ物、豆腐などを餌に釣ることが出来る。また肉食性の種も存在し、ルアーにも襲い掛かる。

釣り堀の代表的なパンガシウス

Pangasianodon gigas

世界最大の淡水魚の一角と名高いメコンオオナマズもパンガシウスであり、その最大種だ。名前の通りメコン川流域が原産であるがタイやインドネシアの釣り堀でも釣ることが出来る。

野生個体は絶滅の危機に瀕しているとのことで、管理もされているようだ。3mに達する個体は現在はもう発見が困難かもしれないが、タイの有名な釣り堀には2mを超え100kgにも達する個体が入っている。

こんなの釣れたら絶対諦める自信がある


マグロ竿のような太い竿とリールで釣るのが一般的だが一匹釣るだけで精魂尽き果てるのに釣り堀のスタッフが魚が掛かった仕掛けを次々に渡してくれる。とにかく釣ると疲れる魚である。

Pangasius Sanitwogsei

パールム(パールン)は英語ではparoon sharkと呼ばれる肉食のパンガシウスでルアーでも釣れる。

インドネシアでは何故かGenghis khan(ゲンギス カーン)とチンギスハンの名前で呼ばれているが由来は分からない。

Monstero Fishing Parkで釣れた小型のパールム


戦闘機のような背鰭が特徴的で背鰭だけを水面に出して泳ぐ様はまさにジョーズである。この種もメコン川流域が原産の魚で、3mに達すると書かれているが実際は1.5mくらいがいいとこだろう。

歯はしっかりナマズだ

先日Panorama lembah gunung kujangにて適当に足元で生き餌を泳がせていたら食いついて来たが、コロソマを彷彿とさせる突っ込みと寄って来たと思ったらまた端まで走り去り、弱る気配を全く見せない様に絶望感を感じた。

取り込みを手伝ってくれるじいちゃんも魚種を確認すると、後30分はかかるからまったりタバコでも吸えよと何処かへ行ってしまった。とにかく釣ると疲れる魚である。

Pangasianodon hypophthalmus

カイヤンはベトナム語のチャーという名前で流通し、英語ではIridescent sharkと呼ばれる。

東南アジア諸国、インドネシアでも養殖の盛んな魚であり食用としても流通している。専用の釣り堀も沢山あり、怪魚釣り堀にもコロソマと同じくらい入っている魚である。

こちらもメコン川流域が原産で1m前後まで成長し、釣り堀で釣れるアベレージも70cm近くあるので簡単に釣れて引きもめちゃくちゃ強いという釣り堀には適した魚である。

Panorama lembah gunung kujangにてスレががり

沢山入っている釣り池でルアーを引いていると高確率でスレ掛りしてくるのでコロソマかと思ったらカイヤンというパターンが割とある。とにかく釣ると疲れる魚である。

インドネシアでのパンガシウス

インドネシアには8種のパンガシウスが固有種として生息しており、ikan patin (イカン パティン)と呼ばれている。

スマトラ島で捕獲された80kgのパンガシウス

大きさは最大でも20cm程度の小型種から1mにまで成長する種類もいるが広く養殖され、各地で定着しているのはタイから持ち込まれたカイヤンである。

アクアリウムの観賞魚としても人気だ

カイヤンの養殖事業は1972年に1つの業者がタイから種苗魚を持ち込んだことに始まり、爆速で増えることから一気にインドネシア全土に広められた。

インドネシアではカイヤンをパティン・シアムという、シャム猫と同じ旧タイの呼び名でタイ原産を現わしている

今では政府も力を入れる一大産業となっており、パンガシウス養殖の世界第4位の国として各国に輸出を行なっている。

日本へ年間718トン、第二位の輸出国になっている

食用魚としてのパンガシウス

私も長くインドネシアにいるがそういえばパンガシウス食ったことあったかな?と疑問に感じていた。

どこでも売っているクラリアスの唐揚げ

クラリアスなら見ない日は無いってくらいに昼飯を食いに行けば揚げたやつが並んでいるのに、飯屋でパンガシウスを見かける機会が無い。

スーパーでも販売されている。

それもそのはず、パンガシウスの多くは切り身として加工されてドリーという名前で売られているのだ。

Dori表記で売られるパンガシウス

ドリーと言えば本来はJohn Dory (マトウダイ)を指す言葉だが、ベトナムの水産業者がパンガシウスにドリーという名前を付けて販売を開始したことに端を発し、インドネシア人も知らないうちにパンガシウスを食べているという事態を発生させてしまった。

こちらがJohn Dory (マトウダイ)、何故John Doryかは不明

ということは私がこれまでに食べたあれやこれもパンガシウスだった訳で、普通に美味いねパンガシウス。

日本とパンガシウス

日本も東南アジア各国からパンガシウスを輸入することに積極的でイオングループは最大の輸出国であるベトナムの業者と提携して大量のパンガシウスを輸入している。

pangasius bocourti バサの名前で流通している

業務スーパーとかの白身魚の切り身としても利用されているようで、お弁当の白身魚フライなどで知らないうちに食べている日本人も多いかもしれない。

フィッシュアンドチップスやムニエルが鉄板だ

パンガシウスで検索しようとすると検索予測の一番最初に体に悪いというワードが出てくるが、魚自体が体に悪いということは無いだろう。

しかしながらベトナムからの輸入パンガシウスに有害な漂白剤や薬剤が加工に使用されているとしてインドネシアはベトナムからのパンガシウスの輸入を法律で禁止している。

ライバル蹴落として自分とこの売ろうとしてない?

知らないようで意外とみんなの身近な魚パンガシウス。食糧難の時代の救世主としてこれからの動向に要注目だ。

みんなもパンガシウスを食べよう

コメント

  1. 無色セブン より:

    この魚なんか見たことあるような魚だなあって思ってたら
    ボラちゃんの頭と目に似てるんだなあと
    けど体つきや鱗の付き方も全く違う
    同じ河川や海に住む魚でも鱗の付き方が細かったり大きかったりで
    面白いですね アロワナの鱗とかかなり大きいのに

    • azemichitanbo より:

      コメントありがとうございます!
      確かにボラに似ていますね!パンガシウスはナマズなので鱗はありませんが、鱗のある淡水魚はピラルクが最大、無鱗の淡水魚はナマズ系の独壇場だと思います。
      見た目はやっぱり普通のナマズの見た目が好きなので、Silurusを学名に持つマナマズやビワコオオナマズ、ヨーロッパオオナマズに興味が湧きます。

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