昨年の4月に連休を利用してCianjur県にあるVillaku Kuningという宿泊施設で2泊3日の滞在をしてきた。
この Cianjur県は標高の高い都市で気温も涼しく、避暑地として多数のヴィラなどの宿泊施設が点在している。
Villaku kuningもその中の1つであるが、ここは敷地内に小さな池があり、そこに多数の怪魚が放流されている。
昨年情報をゲットしてすぐに予約を入れて挑んできたのだが、天候に恵まれず滞在時間のほとんどが雨。
しかも自由奔放な管理人に振り回され、発狂してしまいそうな思いをしてもう二度と行くまいと考えていた。
インドネシアでまだ釣っていない魚、ダトニオイデスとタイガーバルブを釣れる場所を探していると、可能性が高そうなのはここくらいしかない。
よく釣りに一緒に行っているIさんがパーカーホを釣ってみたいと前々から言っていたので2人で行ってみようということになった。
高い部屋代もワリカンなら安いし、話相手がいるのは本当に心強い。
なんだかんだ私はもう経験済みなので注意すべき点は分かっている。
必要な物は管理人に頼らず自分で用意する、そして不干渉を決め込めばストレスフリーで釣りを楽しめるだろう。
チェックイン可能は10時からとのことでバンドンを朝7時に出発、高速が通っていないCianjur県はひたすら下道を進むので道中で食糧や餌などを買い込んで行く。
宿泊施設と謳ってはいるがベッドとシャワー、トイレ付きの部屋があるだけという感じなので普通のホテルとは全く違うということを気をつけなければいけない。
Villaku kuningに到着したのは10時過ぎ、既に到着していたIさんに先に始めててもらい、私はガチめに大事な仕事の会議に参加する。
懐かしい風景、簡素なアパートみたいな内装でここが1泊1万円とは思えない作りだ。WiFiもクーラーも当然無くシャワーもお湯は出ない。携帯電波は会社によってはかなり弱い。
電波不足でまともに繋がらず、昨夜殆ど眠らずに作成した会議資料や道中の山道で酔いながら読み込んだプレゼン資料が無駄になるということもなく会議は無事終了した。
世界中どこでも電波さえあれば繋がってしまうネット社会が疎ましいが、後はネットや仕事を忘れて釣りを楽しむだけだ!
道中買って来た餌はミミズ4パック、金魚とナマズの生き餌、パン、練り餌各種。
狙いの魚はダトニオイデスとタイガーバルブ、フィッシュイーター、コイ科どちらにも対応出来る備えである。
前回のように管理人さんにお金を渡して買ってきてもらってもお釣りで私的な買い物をされるのが嫌だったので自分で用意したが、問題のあった管理人さんはもういないとのことで杞憂に終わった。
池に竿を出しまったりと魚を待つ、池の周囲の草や木が刈り込まれ、前回は半分しか立ち入れなかった釣り池は360°どこからも釣りが出来るようになっている。
当然客は私とIさんの2人だけ、管理人さんも当然のように釣りをしているが独占状態である。
Joe Michaelというインドネシアの釣り番組の有名な人がここのオーナーらしいが、儲けはあるのだろうか。
Iさんがミミズでいい感じのサイズのジャワバルブを釣り上げた、ヘラブナみたいなカッコいい形である。
入っている魚はダトニオ、タイガーバルブの他にもパーカーホ、パールム、コロソマ、カイヤン、スルタンフィッシュ、バラマンディ、シルバーアロワナ、レッドテールタイガー、マヤンシクリッド、レッドデビル、ナイルティラピアと多岐に渡っている。
ミミズや練り餌には大量のティラピアが群がってくる。デカい魚とティラピアの割合は1:1,000くらいはありそうなので目当ての魚を釣るのは至難の技とも言える。
フィッシュイーターはかなり数が少ないようだが生き餌や魚の切り身をぶっ込んで魚を待つ間にフライで遊んでいるとIさんに強烈なアタリが来た。
全く水面に上がらず池を縦横無尽に駆け回る魚、使用していた餌は生き餌なので釣れている魚は限られるが、ここまで体力のある魚はそうそういない。
特徴的な背鰭を見た瞬間に予想は確信に変わる、上がって来たのは1mを超えるパールムだった。
インドネシアの怪魚釣り堀でも割とメジャーな魚ではあるが、ここまでのサイズは中々なさそうだ。
私のほうは一度だけコロソマっぽい激しいアタリがあり、バスタックルがのされて切られてしまった。
魚の切り身のぶっ込みにも反応があったがすっぽ抜けてしまう。
ふよふよ漂っていたアロワナのアタックもあったが生き餌が逃げてスカッてしまいそのまま相手にされなくなった。
前回絶大な釣果を出した揚げ物を買ってきてもらうもこの日は大した釣果は無し。
Iさんがタピオカの揚げ物でデカい魚を掛けたがバレていた。
日が照りつける間は暑さを感じるが耐えられないほどでも無く、ゆったりとした空気の中で釣りを楽しんだ。
釣り堀と違って制限時間は無し、好きなだけ釣りをして飽きたり眠くなれば寝ればいい。
暗くなった直後に生き餌にバイトが二回あったが上手く針がかからずバラしてしまう。
雷が鳴り、強めの雨が降って来た。昨年はこんな感じで1日半は雨でまともに釣りが出来なかったが今回も嫌なイメージが頭をよぎる。
インドネシアの屋台人気メニューのマルタバを注文、油っこいが非常に美味い。
インドネシア風チヂミといった感じだろうか、雨も止み辺り一帯に響く虫やカエルの鳴き声を聴きながら食事を取りつつ、釣りをしながら談笑をする。
Iさんと菓子をつまみながら釣り談義をしたり猥談をしながら中学生のような時間を過ごす。
前回は悪天候もあったが夜釣りをする気力無く、同行者の有無がここを楽しむ上で重要な要因であると感じた。魚は釣れなかった。
時刻は12時半、昨夜寝ていないので限界が来た、一眠りして朝まずめに期待を高める。
体がベタベタだったのでシャワーを浴びたかったのにタオルが用意されていないことに気づき、諦めてウェットティッシュで身体を拭いてそのまま裸で疲れにまかせて眠る。
4時半に起床、まだ脳が眠っているが生き餌やミミズ、練り餌を放り込み手を洗いに行こうと池に背を向けた瞬間、ドラグの音が周囲に響き渡った。
ミミズを付けた竿が思いきり曲がっている。慌てて走り寄り竿持ってファイトを開始、今までに無い引きだがもの凄い引きだ。
一瞬で眠気は消し飛ぶ、バスタックルでは心許ないが未経験の引きにタイガーバルブの期待が膨らみ慎重にやり取りをする。
20分程のファイトの後に上がって来たのはコイ科最大の魚パーカーホ、タイ原産の希少な魚である。
サイズは80cmほどか、しかし体高と体幅が凄まじい。変な引きだったのはスレ掛かりによるものだった。
やっと大きな魚が釣れて一安心、カップ麺を食べて朝まずめのチャンスに期待をしながら餌を投入していく。
Iさんの竿に見たことない程デカいマーブルゴビーが掛かった。私が前回釣ったものより倍以上あるだろう。
練り餌でティラピアと格闘しているといつの間にか生き餌が食われて糸が走っていた。
慌てて取りに行くが端まで走られており、石と変わり身の術をされていた。引きの感じからナマズ系のようだった。
朝の魚の活性は高く、生き餌、練り餌共に頻繁に大きな魚が掛かったがその全てをバラしてしまった。
今回の反省点としては狭い池で少しでも釣果をあげようと複数の竿を出し過ぎたことである。
大きな魚が池を走る中で他の仕掛けと絡むことで針が外れたり、遠くで放置していた竿にいつの間にか掛かっていて気付いた時には針が外れていたりと、ある程度絞っていればバラさなかったというケースが7.8回はあった。
この中にダトニオやタイガーバルブが含まれていたかもしれないと考えると後悔してもしきれないが、改善すべき所は把握出来た。
管理人さんが仕事無い時に釣りをしまくって激スレではあるが集中していれば取れた魚を多数逃してしまった。
ダトニオとタイガーバルブを釣ることが出来なかったので機会があればまたリベンジしたいと思う。
次があるなら、もっと上手くやれるだろう。
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