中部ジャワへの出張が決まりその週末にはジャカルタでお客様と会うスケジュールが決まった。
土曜日にジャカルタなら日曜日はRCGでフライだなとスーツケースにカナリア58MLとフライロッドを放り込んでソロに向かう。
しかし土曜日のアポは翌週に延期になり結局中部ジャワに滞在することになった。

土曜日にソロから電車でジョグジャに向かう。タクシーなら¥3,000で2時間近くかかる行程も電車なら¥70で1時間である。
久しぶりにWest Lake Jogjaに行ってフライでピーコックでも狙おうかと友人を誘ってみるとWest Lake Jogjaはコロソマしか釣れないから色々な魚が釣れるOmah kolam Jogjaに行きたいとのこと。

Omah Kolam Jogja行くならウズラの卵だなと市場で茹で卵を買って来てもらい、一路釣り場を目指す。

この日はいつもの友人とその弟、そのまた友人と4人で釣りを行う。
実は前回ウズラの卵で爆釣したことをSNSで報告をすると試してみたいという人が何人か発生、タイと中国、そしてここインドネシアとアジア三カ国の怪魚釣り堀で同日にウズラの茹で卵を検証してみるということになった。

この日は私たちが最初の客、という訳で糸を投入した瞬間に糸が走る。



私はというと持って来たはずのカナリア58MLの先パーツが無いことに気づき茫然自失。
考えたくは無いがファスナーが少し空いていた隙間からバイタクに乗っている時に落としてしまったのか、アパートにパーツを忘れていることをひたすらに願う。

フライロッドもソロのホテルに置いて来たのでとりあえず貸し竿を借りたが、あまり気分が乗らずにサポートメインで立ち回る。

ウズラの卵はやはり抜群に釣れる。生き餌より確実に釣れるが何故ここまで釣れるのかが分からない。
気になるタイと中国の怪魚釣り堀でのウズラの卵の結果も驚く程の釣果があったとのことである。
タイの有名なブンサムランではパーカーホにカイヤン、パールム、メコンオオナマズが着水食い状態で現地人が首を傾げる程の釣果が
中国の怪魚釣り堀でもアメナマやバス、バラマンディが釣れたと驚くべき結果が出たとのことだ。

たまに小さな魚が卵を齧っているがそういう時は黄身だけが無くなっているので魚が主に食べているのは卵の黄身の部分であると思われる。
日本に帰ったら野池でも試してみたくなるが日常的に人口餌が入っている釣り堀では本当に良く釣れる餌ということは間違いない。

何か変な引きの魚が釣れてるなと見ているとメーターはありそうなクラリアスが上がってきた。
なにこれめっちゃカワイイ、羨ましい。

ひと通り皆に釣果があった後に風がかなり強く吹いて来て魚の反応がかなり渋くなった。
風が凪いだ瞬間だけ釣果が出ているがこの日は前回よりは渋い。


という訳でこの日もウズラの茹で卵は凄まじい結果を出してしまった。
タイと中国、インドネシアの三カ国の怪魚釣り堀で結果が出たということで、もはや疑いようがないだろう。
これからは餌OKの怪魚釣り堀に行く時はウズラの茹で卵を探すことを第一に考えなくてはいけない。

そして翌日、朝早く起きて遺跡でも行って写真撮りながら散歩しようと思っているとめちゃくちゃ雨が降っていた。
すぐに雨は止んだが、空は曇っているし写真映えもしないなとササっと電車に乗って翌日の仕事に備えてソロに帰る。
ホテルでまったりしてもいいのだがまだ朝の10時前だし、こっちは晴れているのでせっかくだからフライをやりたい。

という訳でやって来たTaman Balekambang、ここに来たのはリベンジしたい魚がいるからだ。

バンドンのKampung Batuで初めてフライを振った時に一発で食って糸をぶっちぎっていったコロソマ、インドネシアでは避けては通れないこの強敵をフライタックルで釣り上げることが今日の目的だ。

一年前、コロナ流行期に初めて来た時は閑散としていたが今日は人がいっぱいだ。




コロソマしか釣れないことは分かっているが今日の目的はコロソマだ。
2時間分の¥300を支払ってタックルを準備する。


ここはフライをキャストするにはこれまでで1番後ろのスペースが広くキャストがしやすい。
しかし人が通り過ぎて気になって中々キャストが出来ない。

それでも後ろに人がいない時にキャストをしているとコロソマがライズしたタイミングで入ったフライに狙い通りコロソマが食いついた。
決着は一瞬、フライを引ったくりラインを掴む左手に重さが伝わってすぐに糸をぶっちぎられてしまった。

今回はフライリーダーを使用していたが糸を歯に当たる位置まで食い込まれてしまうとキャッチは難しい、あれを獲るならリーダーを太くするしか無いのだろうか。

人多いし暑いしモールでラーメン食って帰って寝ようと園内を歩いていると”アリゲーター”という言葉が聴こえてきた。
インドネシア人はAlligatorをアリガトルと発音する。従ってアリゲーターと言う人はインドネシア人ではない。

気になって覗いてみると私がパーツを無くしたものと同じカナリア58MLを持った日本人と出会う。
ジェパラから運転手さんと2人で来たというKさんは先日からここでアリゲーターガーを狙っているとのことだ。

アリゲーターを追いかけているというKさんと釣り談義をしていると不意に置き竿に付けていた鈴が鳴り響く。

かなり走っていたのでああ、コロソマでしょうねという予想を外して上がって来たのはタイガーショベルノーズ、ここでコロソマ以外が釣れてるのを初めて見た。
私もPLGKでしか釣り上げたことは無い割とレアな部類の魚である。やはり綺麗な魚だ、私も釣りたい。
そして改めてウズラの卵は何でも釣れるな。

満遍なく釣り客がいるのでフライ竿は振り回せないが公園内の釣り池は緑が多く、木陰は涼しくてロケーションが非常に良い。


先日同様かなり風が強かったがコロソマが一斉にライズしだすとあちこちでヒットしている。
やはりメインはコロソマだが他の魚も釣れたという事実が今度また来てみようかなという気持ちにさせた。

確かに前にもガーやパールムが浮いているのは見ていたのでいることはいるというのは知っていたが、次来る時は大きめの魚の切り身でもぶっ込んでまったり待つのもいいかもしれない。
色々と話しているとあっと言う間に夕方になった。
Kさんはここから3時間くらいかかるジェパラに帰らないといけないので帰り支度をしようとすると運転手さんの竿がかなりしなっている。

ゆったりとした、しかしながら相当重そうな引き。
受付で売っているピーナッツでコロソマを連発しているのは見ていたが明らかにコロソマの引きでは無いし該当する魚が思い浮かばない。
何だこれと話しているとデカいアリゲーターが浮上して来た。
これにはアリゲーターを追っていたKさんもショック、しかし全然寄って来ないし引きが普通では無い。

通常なら特徴的な首降りでギューンと何度も引き込む様子が無くただ悠々と泳いでいる。
30分ほど寄っては離れてをしているのを見てスレ掛かりを確信、1時間を過ぎてやっと足元に寄って来た時にやはり尻尾に針が掛かっているのが見えた。

1mは確実に超えていてここにある網では入る気がしない、しかも尻尾掛かりなので絶望的だ。
Kさんと2人で網を持って両側から挟み込む作戦が攻を奏し、何とか網に入った。
しかし、持ち上げた瞬間に網が破れてスルッとアリゲーターは池に消えた。

1時間を超える大捕物劇は呆気ない幕切れ、網が破れることは誰も予想出来なかった。
辺りは既に暗くなって来ており、今からジェパラに帰るKさんと疲労困憊の中運転する運転手さんの無事をただ祈ります。
あれくらいのサイズならスレでもちゃんとしたタックルであれば数分で上がっただろうことからもタックルパワーの重要性というものを改めて学んだ。

コロソマしか釣れない釣り池と決めつけていたTaman Balekambangにも新たな可能性を感じることが出来た。
次は色々と餌を用意して挑んでみたい。

コメント
Kです。早速ブログを拝見させて戴きました。楽しい時間がギュッと濃縮されたような素敵なストーリーに仕上がっていてニヤけながら読ませてもらいました。次こそはアリゲーターガーをランディングしたいです!また宜しくお願いします。
コメントありがとうございます!
無事帰れたようで何よりです。
次こそはあれより大きいやつを上げたいですね!
コロソマ以外が釣れるかも気になります!