ラマダン期間の深夜3時頃から毎晩始まる太鼓を打ち鳴らして各家の人を起こして回るというマジギレ必至の攻撃に悩まされ寝不足気味の1ヶ月、ついにレバラン休暇がやってきた。
当然ゆっくりとくつろげる場所に退避すべく、3泊4日の旅行先に選んだのはスラウェシ島のマナド。
キリスト教徒が多く、独自の文化が発展した海が美しい街であり、ここで動物を見たり市場に行ったりのんびり海で釣りをして過ごすのだ。
電車に揺られて空港のあるジャカルタに向かう道中の今現在、地図を見ていたらマナドからハルマヘラ島がすぐ近くにあることに今更気づく。
ハルマヘラ島はインドネシアで釣りをするならコイツは外せないというパプアンバスの聖地となっている島なのだ。
パプアンバスとは?
パプアンバスとは和名をウラウチフエダイ、パプアンブラックスナッパーとも呼ばれるフエダイ科の魚である。
淡水魚の括りになっているが汽水域を好み、大きな河口がある河川やマングローブ林に生息している。
曰く淡水のGT、曰く世界最強の魚
甲殻類や小魚を捕食し、ルアーフィッシングの対象魚として世界中から注目を集めている為に海外の釣りに興味がある人なら一度はその名前を聞いたことがあるだろう。
体長は最大1m程、世界記録は40ld(18kg)とサイズ的には普段怪魚釣り堀で釣っている魚の方が大きいという印象を受ける。
しかしそのあまりの引きの強さから竿が一瞬で折られる、竿ごと水中に引きずり込まれる等、様々な逸話のある魚である。
パプアンバスの釣り方は?
基本はボートでの釣り、ジャングルを流れる河川を河口から上流までルアーでランガンしていくスタイルである。
川幅が狭いエリアではバングの下に隠れているパプアンバスをピンスポットでクランクベイトやディープダイバーで狙う。水深が浅い所ではトップでも釣れるようだ。
捕食をしたら反転して一気に倒木の下や根に戻る為にフルドラグで一気に引きずり出す必要があり、これが油断しているとボートから引きずり込まれてしまう一因となっている。
タックルはXHなどのとにかく強い竿とドラグ力10kg以上のリールにPEは6号以上、リーダーは80-100ld
フルドラグでのファイトになる為にフックやスプリットリングも強くしていないと一瞬で針が伸ばされてしまう。
そしてインドネシアの淡水の釣りにおいて重要なファクターは乾季の減水期である。通常5月から11月くらいまでがインドネシアにおける乾季であるが、その中でも7-9月が河川での釣りのベストシーズンと言える。
パプアンバスはどこで釣れる?
通説ではパプアンバスはパプアニューギニアの一部と日本の西表島にのみ生息しているとあるが今ではそれは古い情報であり、インドネシアの各地、マレーシア、フィリピンでの釣りが確立されつつある。
インドネシアでも釣魚としてのパプアンバスが注目され始めたのは2009年からと比較的新しく、それまではKakap Hitam(黒い鯛の意)として普通の魚のように扱われていたようで、未だ開拓されていない場所も多数あると思われる。
パプアンバスの名前通り、パプアニューギニアがパプアンバスの釣り場として最初に注目されていた。
しかしPNGはマラリアの感染リスクが非常に高いことと、スレてきた、釣行に対する費用が高いことからも近年はインドネシアが安全面、釣果からも選択肢として選ばれることが多い。
もう一つの選択肢は西パプア、こちらはインドネシアの領土であり私も時間が合えば釣行を予定しているが河川によってはパプアンバスは生息していないようだ。
しかしながらバラマンディやノーザンサラトガ、パプアンダトニオなど魅力的な魚が多く生息している。
カリマンタン島の東側の河川にはインドネシア領、マレーシア領共にパプアンバスが生息している河川があり、清流域でマシールなどと共に狙えるということで注目が集まっている。
ジャワ島からなら1番気軽に行ける距離にあるがどの場所もボートを手配する必要があるのでガイド探しが必要だ。
前にカリマンタンで釣りをした際に依頼した人達がガイド出来るらしいが、こういった現地ガイドを独自に手配することはリスクもあるので注意は必要だ。
私が今向かっているスラウェシ島の情報を集めてみたがスラウェシ島でパプアンバスが釣れるという情報は島の真ん中にあるバリアセ川という河川だけだった。
太平洋戦争の激戦地として日本軍が争った北マルク州ハルマヘラ島、ダイビングスポットとしても有名な島の中部の熱帯雨林を流れる河川ではパプアンバスが最も釣れる地域として世界中から釣り人が群がっている。
滝川クリステルさんが番組で見事パプアンバスを釣り上げたのもこの島である。
ハルマヘラ島の南に位置するマルク州セラム島もパプアンバスが釣れていた。
しかしやはりどれもジャングルクルーズであり、陸っぱりでチョイと釣るという訳にはいかないようだ。
裏内笛鯛の名前の通りパプアンバスは日本でも確認されている。
しかしながらレッドリスト入りで生息数は超少ないということで現実的では無い。
私が調べた限りではパプアンバスの釣りが確立されている地域は大体こんな感じである。
現地のサイトを読み漁ったりYouTubeをざっとチェックするとジャワ島、バリ島、ロンボク島、スマトラ島らへんを除く以北、以東のインドネシアのいい感じの河口がある河川には大抵いるんじゃない?という気がする。
※最近はスマトラの釣行も増えているそうです。
どうにかパプアンバスを釣りたい
男と生まれたからには誰もが一生のうち一度は夢見る地上最強、ということでこの世界最強という範馬裕次郎みたいな魚を一度は釣ってみたい。
25cmくらいのロウニンアジを釣ってGTを釣ったと言い張れる私なのでサイズは勿論不問である。というか60cm位までなら私のタックルでいけそうだがそれ以上は無理だろう。
ハルマヘラ島にはジャカルタ、マナドなどから直行便があるテルナテ島に飛行機で飛び、そこから船で1時間程かけて渡り、更に車で数時間かけて中部の熱帯雨林地帯を目指すようだ。
すぐ近くなんだからテルナテ島でも釣れるんじゃないかとグーグルアースで見てみたがいい感じの河川が見当たらなかった。
どうしよう、今からでもマナドでのバカンスを諦めてハルマヘラ島に向かうことは可能である。
その場合移動日を含めて猶予は2日、車やボートを出せる人を探して釣りにまでこぎつける時間は無さそうだし、適当な河口から陸っぱりで釣れないだろうか?
試しにグーグルアースで見てみると当然というか、河川の周囲は殆どがジャングルで道が無く、立ち入りは難しそうだ。
それではと河口の海岸部などをネットで調べてみると現地民がワニに噛まれて病院に担ぎ込まれている写真がいっぱい出てくる。
こりゃあかん、流石にガイド無しの単独釣行は無謀のようだし、今回は諦めよう。
今はまだ雨季の終わりかけの為にどっかで雨が降るだろうし、そもそも川の釣りには向かない時期だ。大人しく当初の計画通り海で釣りをしよう。
マナドとハルマヘラ島は目と鼻の先だからパプアンバスいるのでは?いろよ!という思いしかないが散々調べた結果マナドでワニがいるという情報はあってもパプアンバスが釣れるという情報は見つからず、嫌なこと知っただけに終わった。
まあそもそも今回の旅のテーマは”癒し”であり、決死のジャングル探検隊なんてのはシティーボーイの私には耐えられないのだ。
出来るだけ陸っぱりかつ安全圏で釣り堀で釣りをするがごとくパプアンバスを釣りたいのだが、そんな私がこの魚をキャッチ出来る日はやってくるのだろうか。
※Monstero Fishing ParkのUL池やRCGの餌池に入っているようですが激ムズです。
コメント
深夜三時に太鼓とかストレスで禿げ上がりそうなw
釣りのためにあっちやこっちに行く行動力に脱帽ですよ
なんか最近釣りに行くより釣りに行く為の準備のほうが楽しくなってる
自分が恥ずかしいですw
コメントありがとうございます!
断食期間は本当に参りましたw
釣りに関しては私も釣具屋行って満足なんですが最近色々と考えることがあり、いつまでインドネシアにいるのかと考えたら今のうちに出来ることをしたいという感じです。